けあらし2013/02/13 22:30

けあらし

 

けあらしという現象がある。水面近くの大気の温度が水の表面温度よりかなり低いと、水面から水蒸気が湧く。坪井川でもけあらしが見られた。これは熊本は盆地で気温が下がりやすいのに対して、川の水は地下水も含んでおり、比較的水温が高いためと思われる。なかなか幻想的な雰囲気となる。また、NHKの付近を境に、水蒸気が上流側と下流側に発散するように、流れている。これは地形の関係で山風がこの付近で降りてくると考えられる。そのため、けあらしの水蒸気を上流側と下流側へ追いやっている。

けあらし

直径45メートルの小惑星、16日未明に最接近と思っていたら2013/02/16 00:08

直径45メートルの小惑星、16日未明に最接近と思っていたら

小惑星が地球に接近する。地球の約2万7700キロメートル上空を通過するそうである。ずいぶん遠そうだが、ひまわりなどの静止衛星は約3万6000キロメートルなので、それよりは近い。地球への影響はなさそうだが、もしこのクラスの小惑星が地球に衝突すると、大変なこととなる。


1908年6月30日にシベリアで起きた大爆発は、隕石が落ちたためと言われている。その際は、半径約30キロメートルの森林が炎上し、1000キロメートル離れた所の家でも窓ガラスが割れたという。その隕石の大きさは、数十メートルの大きさと言われている。原因については、詳しいことは分かっていないのだが、もし大気圏に突入した隕石が、大気との摩擦で高熱になり爆発すると、ものすごいエネルギーを出すことが分かっている。45メートルの小惑星でも、半径数百キロメートルは壊滅するかもしれない。おそろしい事である。

 

と思っていたらロシアのチェリャビンスクで、隕石が落ちた。直径数メートルくらいの可能性がある。15日11時半時点で、負傷者は1000名以上だという。おそらく隕石の大きさがちょっと大きかったり、コースがずれていれば、桁違いに被害者が増えていたかもしれない。先のことはわからない。明日の朝、無事に目が覚めることを祈っている。


ある人の思い出2013/02/21 00:07

ある人の思い出

 

今からざっと20年以上前、あるアマチュアオーケストラにいた。定期演奏会で、シベリウスのバイオリン協奏曲を演奏することになり、ある若手の学生の女性バイオリニストを呼んで、演奏会を行った。そのバイオリニストは、ほっそりした体からは思いもかけない鮮烈な音を奏でていた。まだ学生ながら堂々としたシベリウスだった。私は練習時に代奏はしたかもしれないが、本番ではシベリウスの時にはステージに乗ってはいない。

本番後しばらく経って、郊外を走る高速バスに乗る際に列に並んでいたら、列が動き出してちょうど列が交差したところで、そのバイオリニストと出会った。彼女の方から、「オーケストラの人ですよね」と声を掛けてくれた。実は、私はその時まで、彼女と気づかなかった。彼女が覚えていてくれたのが大変うれしかったの覚えている。それから10年以上経ってからのことである、彼女が世界最高峰のベルリンフィルの首席ヴィオラ奏者になったのを知ったのは。彼女こそが清水直子さんだった。


隕石の値段2013/02/27 19:26

隕石の値段

 

ロシアに隕石が落ちて、早速その値段が取りざたされている。ところで、ニューギニア島の沖合の島々には、クラ交換という儀礼がある。貝殻か何かで出来た首飾りなどを、数百キロメートルも離れた他の島へカヌーを漕いで届けに行く。届けられた島の人は、また別な離れた島へ届けに行くのである。

 

天候だって変わるかもしれないし、何かの拍子に海に落ちればサメに食われるかもしれない。決死の覚悟で行くのである。ところが、その首飾りなどは、ちょっと珍しいかもしれない程度の貝殻をつなげたものだけだったりする。貝自体に何か効能があるわけでもない。ただ、現地の人々にとっては必死の儀礼なのである。

 

なぜ、この話を持ってきたかというと、隕石の値段も考え方は同じだからである。隕石自体に、何か効能があるわけではない。強いて言えば希少価値くらいか。しかし、世の中に他に隕石が無いわけでない。しかし、皆なぜかそれをほしがるから値段がついている。

 

なぜ、値段がつくのだろうか?それは交換されるからである。みんなが交換したがるから価値がつく。クラ交換も、みんなが交換したがるから、貴重なものとなっている。間違っても貴重だから交換するのではない。貴重だから値段がつくのではない。交換したがるのが先にある。このことに気づいたのは、マルセル・モースである。そして「贈与論」を書いた。隕石の価値が云々されるのを見ていると、つくづくモースは正しいなあと実感してしまう。