林間残照図 橋本雅邦2012/11/27 22:26

林間残照図 橋本雅邦

 

美の巨人たち(キリン提供)より。橋本雅邦は、元は正統的な狩野派の画家だが、その伝統を破って新しい日本画を創造した。この絵は、1903年にセントルイス万博で最高賞を受賞した。

 

明治に入って、日本の欧化政策で日本の絵画は風前の灯だった。彼は、狩野派の画家だったが、仕事が無く海軍で西洋画と出会い、西洋の技法を研究した。当時、フェノロサが伝統的な日本の画法を日本画と命名。岡倉天心が世界に通用する日本画を作らないかと橋本雅邦に提案する。その中で、この絵は日本政府から国策としてセントルイス万博に出品するために作成を依頼される。当時の国威発揚のために、個人の名声を超越して出品したものに違いない。その重責は、現代の平和かつ安泰な生活からは想像を絶する。

 

林間残照図は、一見、西洋画風であるが、山水画の骨格を持っている。木立は線が細くフランス画風。空気遠近法にて奥行きを出している。一方、山肌や川は、典型的な狩野派の輪郭線で、その質感を高めている。上半分近くは何も描かれていないが、山水画同様にそこが核心となっている。新しい日本画の登場である。

 

弟子に、横山大観、菱田春草、下山観山などがいた。彼らの絵が朦朧体に走った際に、絵は技術でなく心持ちであると自らの絵で示した。

林間残照図


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