低床バス ― 2012/07/24 22:49
低床バス
皆さんご存じの通り、バスの床は高い。そのため高齢者や身障者は使いづらい。それを少しでも緩和するために、低床バスが使われることがある。これは文字通り、通常のバスより床が低くて乗り降りの階段が少なくて済むようになっている。確かに乗り降りは楽だが、内部のレイアウトは逆にぎこちなくなっている。と言うのもバスのタイヤの大きさは変わらないので、床を低くした分タイヤハウスが床から飛び出して、そこに座席を置くから、変なレイアウトになってしまう。青森の低床の市営バスは、最前列の座席の後ろが荷物置き場になっていたように思う。熊本の低床バスでも前輪の上の椅子は異常に高く、その後ろと次の座席の間は無駄な空間になっている。これはどうしようもないのだが、私にとってはなんとなくバスの乗り心地がよくない。バスにタイヤがついている限り、どうしようもないとは思う。
私は、バスの床を低くするより、バス停の高さを上げるか、バス停の前のバスの停留スペースを堀り下げる方が合理的な感じがしている。そしてそれに合わせたバスを作る。つまり、プラットフォームと電車の関係と同じにするのである。バスの床を上げると車内はよりフラットになる。バス停の高さを上げるならば、階段かスロープは必要になるだろう。全てのバス停をそうするのは、大変だが出来ない話ではない。バスしか通らない道であれば、バス停はそのままで道路を掘り下げることも可能だろう。
そして、今の通信技術を使えば、今バスがどこにいるかを表示することなど、簡単に実現することが出来る。バスの不信感は、来るのか来ないのかがわからない点にある。かなり遅れたり、定時より早く行くバスもある。せめてどうなっているかわかれば、別な対策をとれる場合もある。つまり、バスの利便性を追求すれば、バスの電車スタイル化になると思っている。
学研の科学 ― 2012/07/26 23:13
学研の科学
休刊していた学研の学習雑誌「科学」が7月に復活したという。この雑誌が日本の科学技術に貢献した功績は大きいのではないだろうか?少なくとも私が理系に進んだ素因を作った雑誌の一つではある。今から思い出しても意外なのだが、私は小学生の頃、軍事オタクだった。いろんな戦記を読んでいたのだ。確か小学6年生の夏休みの読書感想文は、吉田満の「戦艦大和の最後」だった。
しかし、戦記を読むとき、軍事用語の理解は困難を極めた。巡洋艦とは何をする船か?駆逐艦とは何をする船か?速射砲とは何が速いのか?弾の初速なのか?単位時間の弾の発射数なのか?など、いちいち壁にぶつかった。その中の一つが掃海艇という言葉だった。機雷を除去するという役割は辞典を引いてすぐわかったが、どうやって除去するのか?皆目見当がつかなかった。
ところがである。やはり6年生の頃だったか、当時の学研の「科学」に掃海艇の特集が掲載されたのである。私はこれを見たとき、驚喜したことを覚えている。今から考えると、小学生の雑誌に軍艦の役割が詳述されるというのは考えられないが、戦争経験者はまだ現役時代であり、そういう雰囲気だったのだろうか?これに、機雷の種類や掃海艇がどうやって機雷を除去(無害化)するかが、説明されていた。当時これほどすっきりと納得したことはなかった。どうしてそういう特集が組まれたのか、今考えても不思議ではある。
また、毎月いろんな実験付録がついてきて、実験することを楽しみにしていた。日光写真、二酸化マンガンによる酸素発生、空気砲など今でも覚えている。それらが、科学的な感覚を養うのに役に立ったのは間違いない。どうして売れなくなったのか理由はわからないが、科学技術立国日本の基礎を支えていたのではないかと思っている。
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