アンリ・ルソー 蛇使いの女 ― 2012/12/18 20:39
アンリ・ルソー 蛇使いの女
蛇使いとは何だろう。この絵のキーポイントなのだが、私が思い出すのは、コブラ使いのようなイメージしかない。しかし、若い人にはそれさえ知らない人もいるだろう。
私にはこの絵からは笛の音が聞こえてこない。ジャングルは静まりかえったままである。しかし、この蛇使いがいるからこの絵の蛇などの動物は、コントロールされ、静寂と秩序が保たれている。きっと、笛を吹いているのだ。笛は吹かれているが音は聞こえないのに違いない。この不気味だがどこか懐かしい雰囲気は何だろうか?
熱帯のジャングルという原始的なイメージと月明かりの逆光という冴えたイメージが融合している。神秘と平和。その中で、聞こえない笛の音が全体を統一してコントロールしている。
それにしても、ルソーの他の絵には、これほど迫力があるものはない。ピカソやゴーギャンはルソーを買っていたようだが、この絵までルソーはサロンでからかわれ、嘲笑されていた。死んだ奥さんが舞い降りて書かせたとも言う。この1枚が、20世紀の絵画の進む道を決めた。
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