科学と政治 ― 2012/07/14 14:35
科学と政治
アメリカ独立戦争では、イギリスとアメリカが戦争した。その最中に、イギリス海軍のクック船長が第3回目の世界周航の冒険をした。その際に、彼はハワイ諸島などを発見。その他、地理、生物、鉱物などの資料を収集していた。それを知った米国人ベンジャミン・フランクリンは、米国側についた全ての武装船にクック船長の船を攻撃、捕獲などしないように要請した。その理由は、クック船長の冒険から得たいろんなものや知識は、科学として人類全体に貢献すると判断したからである。実際にこの要請が行き渡ったときには、クック船長は1779年にハワイ諸島で既に殺されていたのだが。しかし、これに対して、イギリス王立協会は、敵国人フランクリンにクック船長の航海を記念するメダルを贈呈する。科学の自由を守った事を記念するために。当時、科学は中立であることを重んじられ、政治から独立していた。
同様なことは、種痘にもあった。フランスのナポレオンは、当時イギリスと戦っていた。しかし、イギリス人ジェンナーが発見した種痘を賞賛し、自らの子供に率先して種痘を受けさせてこれをフランスで広めるとともに、1804年にはジェンナーに対する敬意を表して美しい勲章を作成したと言われる。さらにナポレオンはパヴィア市を占領した際に、そこに留学していたジェンナーの弟子を、ジェンナー嘆願により、釈放したと言われる。
(Aサトクリッフ、A・P・Dサトクリッフ著、エピソード科学史IIより)
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