日本人の歴史観2012/08/30 21:25

日本人の歴史観

 

日本人は(と大上段に振りかぶったが)歴史の重要性というものの認識が薄いのではないかと感じるときがある。昔、講義時間が足りなくなった高校が、歴史の授業を削ったことが報道されたことがあった。原発事故の際には、政府の会議で議事録が取られていないことが判明した(議事録も歴史です)。類することは多々ある。

 

歴史というのは単なる記録ではない。歴史はこれまでの人類の成功・失敗に関するかけがえのない実際の情報である。これからの自分の人生の(社会全体のと言い換えても良い)方向性を決める上での知恵の宝庫であり、それを知ることによって、今後生きていく上での道しるべにすることができる。それを活かせるかどうかの違いは、出発点では小さいように見えても、到達点では大きな差となるのではなかろうか。

 

欧米は、ギリシャ時代やローマ時代の歴史を、人類の教訓として大切にしているのではないだろうか?例えば、太平洋戦争が終わって米軍が日本に進駐してきた際には、ローマが周辺の国々を征服した際のやり方がどこかに活かされていたのではないかという気がする。彼らにとって、歴史は知恵として、血や肉体の一部になっている印象を持っている。

 

そう言う意味で、まず記録を歴史として残していく(何らかの記録がないと歴史にはならない)ことは、将来への大切な貢献だと思うし、その活かし方を教えることも歴史の授業の役割の一つだと思う。